築30年を超えたら知っておきたい。|風害、雪害…「困った」ときに工務店ができること

これまでの記事では、「工務店」のあらゆる疑問についてお伝えしてきました。

どの記事でも共通してお伝えしてきたのは、「家や建物のことで困ったときにまず相談できる相手を見つけておくこと」です。

 

たとえば

「屋根が剥がれて飛ばされてしまった」

「雪の影響で、建物の一部が壊れてしまった」

建物の不具合は、いつもこちらの都合に合わせて起きてくれるわけではありません。

 

今回は少し趣向を変えて、実際に私たちがご相談を受けた「緊急時の対応」をもとに、突然の「困った」が起きたとき、工務店は何をするのか。

そんなお話をしてみたいと思います。


 

こんな「もしも」、考えたことはありませんか?

大雪の朝、屋根から聞こえたことのない音。

台風が過ぎたあと、天井にできた小さなシミ。

 

「そういえば、うちの屋根っていつ直したんだっけ?」

そんなふうに、ふと不安がよぎったことはありませんか?

 

実際に私たちのもとにも、こんなご相談が続けて届いたことがあります。

「強い風のあと、屋根が剥がれてしまった」

「雪の重みで、煙突が折れてしまった」

どちらも、ある日突然やってきた「困った」でした。

 

今回は、この2つの出来事をもとに、"急な災害が起きたとき、工務店には何ができるのか"を書いていきます。

「知っておくと安心」という気持ちで、読んでいただけたらうれしいです。

 

そしてこの2つのケースには、ある共通点があります。

どちらも、「今日、急に壊れた」ように見えて、実際には少しずつ進んでいた劣化がきっかけになっていた、ということです。


 

なぜ築30年前後で、災害リスクが上がるのか

一番お伝えしたいのは、ここです。

"築30年前後は、外壁や屋根など、家の「外側」が寿命を迎えやすい時期"だということです。

 

一般的に、外壁材(サイディングなど)や屋根材の寿命は、20~30年程度と言われています。

もちろん、これは目安であって、すべてのお家に当てはまるわけではありません。

 

ただ、築20~30年を過ぎたあたりから、劣化のサインが出やすくなるとされています。

さらに、北海道の場合、これに加えて「凍害」の影響も重なります。

雪の重みだけでなく、冬のあいだに繰り返される凍結と融解が、外壁や屋根、設備に少しずつ負担をかけているのです。

 

一度のダメージが小さくても、それが何年も積み重なることで、思わぬところに影響が出てしまう。

これが、築年数が経ったお家で災害リスクが上がる理由です。


 

実際にあった突然の「困った」出来事

現場へ到着して、すぐに修理開始。

…とは限りません。

 

まず必要なのは、「今、何が起きているのか」を確認することです。

見えている不具合だけが、原因とは言い切れません。

だからこそ、まず現場を見て、状況をひとつずつ整理していきます。

 

突然の「困った」① 風害

「お家の屋根が一部剥がれている」というご連絡をいただき、現場に伺いました。

 

屋根が剥がれていると聞くと、「雨漏りを起こしているのでは?」と真っ先に思う方が多いかもしれません。

ですが、早いうちに対処することで、雨漏りにはつながらず済むこともあります。

 

このときも、まず屋根の状態を確認するところからはじめました。

すると、屋根の端についている板金が、強い力によって剥がされてしまっていることがわかりました。

 

この記事を読んでいる方のなかには、「横葺き屋根(よこぶきやね)」という言葉を初めて聞く方もいらっしゃると思います。

横葺き屋根とは、金属の板を横方向に少しずつ重ねながら張っていく屋根のことで、北海道の住宅ではよく見かける屋根の形です。

 

今回の被害は、板金の一部が強風によりめくれたことがはじまりでした。

そのすき間から風が吹き込み、板金が大きくめくれ上がったことで、強風のたびに何度も折れ曲がる状態に。

その結果、繰り返し力が加わった部分が金属疲労を起こし、最後には引きちぎられるように破断して飛ばされてしまったのです。

 

現場で様子を確認した後、まず応急処置を行いました。

むき出しになった木の部分に、ブルーシートをかぶせて雨が入らないようにしました。

あわせて、シートが風でバタつかないよう、砂袋を重しとして置きました。

 

むき出しになっていた木材は、雨で濡れ黒く変色していましたが、腐ってはいませんでした。

早めに処置ができたことで、下地の腐食を防ぎ、雨漏りにまで発展せずに済みました。

 

突然の「困った」② 雪害

もうひとつは、冬の間に「煙突が折れてしまった」というご相談でした。

現地を確認すると、煙突のコンクリート部分が大きく壊れ、中にある鉄の芯(鉄筋)がむき出しになっている状態でした。

 

このまま放っておくのは危険な状態でしたが、すぐに工事に取りかかれたわけではありません。

 

屋根の上に足場を組んで作業する必要がありますが、当時は雪が積もっていて、安全に足場を組むことができなかったのです。

無理に作業を進めれば、職人の安全も守れません。

 

そこで、雪解けを待ってから本格的な工事を行うことになりました。

春になり、まずは足場を組み、壊れていた煙突の部分を取り除きました。

 

そのあとに、屋根の一部を開けて下地からしっかりと組み直し、新しいコンクリートブロックを一段ずつ積み直し、最後に、屋根と同じ色の金属板で煙突全体を覆い、雨や風から守る仕上げにしました。

着工から完成までおよそ5日ほどでした。

 

冬の間、不安な気持ちで過ごされていたと思います。

ですが、「早く直したい」という気持ちと、「安全に作業できる状態」ということは、ときに両立しないこともあります。

そんなときも、今の状況と今後の見通しを正直にお伝えしながら、適切なタイミングを一緒に考えていく。

それも、私たちの役割だと思っています。


 

実は知らない人も多い、「火災保険」という選択肢

この2つのケースに共通するのが、「風」と「雪」による天災だったということです。

実は、こうした風害や雪害は、火災保険の補償対象になっている場合があります。

 

「火災保険なのに、火事じゃないのに使えるの?」

そう驚かれる方も少なくありません。

 

多くの火災保険には、火災だけではなく、強風による「風災(ふうさい)」、大雪による「雪災(せっさい)」の補償が含まれていることがあります。

先ほどの屋根の剥がれ(それによる雨漏り)や、煙突の破損も、状況によっては補償対象になる場合も。

 

ただし、注意しておきたい点もあります。

 

経年劣化(年数が経つことで自然に生じた傷み)による被害は、補償対象外になることが多いということです。

今回の風や雪でこうなったのか、もともと弱っていたところが壊れたのか。

この見極めは、実は簡単ではありません。

 

だからこそ、被害が起きたときの状況を、できるだけ早く、写真とあわせて記録しておくことが大切です。

被害箇所は、全体がわかる写真と近くから撮った写真の両方を残しておくこと、そして撮影日がわかるようにしておくことがポイントです。

 

保険が使えるかどうかは、最終的には保険会社の判断になります。

私たち工務店がお約束できることではありません。

 

ですが、「被害の状況を整理し、必要な資料をそろえるお手伝い」は、私たちにもできることです。


 

工務店だからこそ対応できること

先ほどの2つのケースを振り返ってみると、必要になった専門職はそれぞれ異なりました。

 

屋根の剥がれには、板金や塗装職人。

煙突の破損には、ブロック積みや左官、そして仕上げの板金職人。

 

多くの修理業者は、屋根なら屋根、左官なら左官と、それぞれの専門分野に特化しています。

そのため、

「屋根はどこに頼めばいいの?」

「煙突はどこに相談すればいいの?」

と、被害の内容ごとに業者を探し、それぞれに連絡と日程調整をする…というケースも少なくありません。

 

以前の記事でもお話したとおり、私たち川端工務店には多様な専門職人がそろっています。

ひとつの窓口にご相談いただければ、必要な職人を含めてチームでご対応いたします。

 

事業内容はこちら

・一般的な大工工事

・設備(エアコン・給排水・暖房設備)

・電気工事(屋内・屋外)

・サインディスプレイ(看板・表札)

・左官工事(壁/床、仕上げ工事)

・外構エクステリア工事

・冬季の除排雪業

・その他屋根板金/外壁サイディング工事/塗装工事/タイル・ブロック工事

 

応急処置から、原因の調査、本格的な修繕まで。そして、保険申請に必要な被害状況の記録まで。

ひとつの流れとして、一緒に進めていくことができます。

これが、専門職が集まる工務店だからこそできることだと考えています。


 

今は困っていないあなたへ|次に何をすればいいか

ここまで読んでくださった方の多くは、今まさに困っているわけではないと思います。

 

「そういえば、ウチも築30年くらいかも?」

そのくらいの気持ちで読んでいただけていれば、大丈夫です。

 

築30年前後は、家の「外側」が寿命を迎えやすく、そこに北海道特有の凍結・積雪の負担が重なってきます。

今回ご紹介した2つの出来事のように、被害は火災保険の補償対象になることもあれば、専門の職人が何人も必要になることもあります。

 

今すぐしていただきたいことは、実はひとつだけ。

「何かあったら、ここに連絡する」という相談先をひとつ覚えておくこと。

それだけで、いざというときの安心感は大きく変わります。

もし気になる箇所があれば、被害が起きる前に一度見てもらうのもオススメです。

 

「これくらいで相談していいのかな?」と迷うようなことでも、まずはお聞かせください。

小さな違和感のうちに確認しておくことが、結果として被害を小さく抑えることにつながります。

 

私たち川端工務店は、災害が起きてからではなく、"もしも"の前から、皆さまのお役に立ちたいと考えています。

最後までご覧いただき、ありがとうございました♪


 

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