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玄関階段のタイル貼り替え|北海道の冬に負けない仕上げまで【後編】
前編・中編では、北海道の玄関タイルに起こりやすい「凍害」と、実際にタイルを剥がしてわかった下地の状態、そしてその下地を整えるまでをご紹介しました。
今回は、いよいよ新しいタイルを貼り、目地や側面を仕上げて完成するまでをご紹介します。
北海道の屋外階段だから、タイル選びも大切

下地を整えたら、いよいよ新しいタイルを貼っていきます。
今回使用したのは、【LIXIL「アレス(ALS-300)300mm角平】。
このタイルを選ぶうえでポイントになるのが、「磁器質」であることと「耐凍害性」であること。
タイルにもいくつか種類がありますが、磁器質タイルは水分を吸収しにくいという特徴があります。
前編でもお話したように、北海道の屋外にある玄関階段は、冬になると雪や水にさらされ、凍結と融解を繰り返します。
だからこそ、下地を適切に補修したうえで、使用するタイルや施工条件に合った材料と方法を選ぶことが大切です。
さらに今回使用した「アレス」は、寒冷地でも使用できる耐凍害性を備えたタイルです。
北海道の玄関階段に使うタイルは、色やデザインだけで選ぶものではありません。
屋外で使えるか
水分を吸収しにくいか
寒冷地での使用に適しているか
こうした部分も確認しながら選ぶことが大切です。
毎日目にする玄関だからこそ見た目も大切。
そのうえで、これから何度も北海道の冬を迎える場所であることを考えて、使用する材料を選んでいきます。
新しいタイルを貼っていきます

今回の施工では、タイルの貼り付けに適したモルタルを使用し、圧着貼り工法で施工しました。
圧着貼り工法とは?
下地に貼り付け用のモルタルを塗り、タイルを押し付けるように貼り付ける方法です。
また、タイルの貼り付けに使用するモルタルは、施工時の水分管理も重要です。
モルタルの水分管理が大切な理由
下地の状態や施工環境によっては、モルタルに含まれる水分が急激に吸収・蒸発し、十分な効果や付着性能が得られなくなる場合があります。
これを「ドライアウト現象」と呼びます。
この現象を防ぐため、モルタルに保水材を混ぜることで、モルタル中の水分が急激に失われるのを抑える役割を果たします。

材料を選んだら終わりではなく、その材料、その土地に合った方法で施工する。
北海道の冬をこれからも越していく玄関階段だからこそ、タイルと施工方法、その両方を考えながら工事を進めていきます。
タイルを貼ったあと、目地を入れていく

タイルを貼り終えたら、タイル同士のすき間に目地材を押し込むように入れ、埋めていきます。
目地は、タイル同士のすき間を埋め、仕上がりを整えるための大切な工程です。
ただし、目地材だけで雨水の侵入を完全に防げるわけではないため、下地や施工方法も含めて適切に仕上げることが重要です。
目地材を入れたあとは、タイル表面に残った余分な材料を取り除きながら整えていきます。

階段の側面も、タイルに合わせて仕上げ直す

今回の補修工事では、階段の側面にも仕上げ直しを行いました。
新しいタイルは、もともとのコンクリート面から約1mm外側に出るよう貼っています。
そのため、タイルだけを新しくすると、側面のコンクリートとの間にわずかな段差が残ってしまいます。
そこで、この約1mmの出幅に合わせて、階段側面にも新しくモルタルを塗り、タイルの端と側面の仕上がりがそろうように整えていきます。
ただし、既存のコンクリートへそのままモルタルを重ねているわけではありません。。

今あるコンクリートと新しく塗るモルタルの付着を確保するため、施工前に必要な下処置を行いました。
そのうえでモルタルを塗り、タイルの端に合わせながら階段側面全体の仕上がりを整えました。

タイルを貼り替える工事というと、どうしてもタイルそのものに目が向きがちです。
ですが、完成したときに玄関全体がひとつにつながって見えるよう、新しくなった部分ともともとある部分との境目まで整えていく。
こうした仕上げも、貼り替え工事の工程のひとつです。
必要なすき間は、そのまま残す

すべてのすき間を埋めればよいわけではありません。
今回、階段と隣接する花壇とのあいだには、もともと花壇に溜まった水が流れるための通り道が設けられていました。
仕上げの際も、この部分はモルタルで塞がず、すき間を残しています。
一見すると「ここだけすき間がある」と見える部分ですが、きちんと役割がある場所です。
見た目を整えることはもちろん大切ですが、もともとのつくりや水の流れを確認しながら、残すべきところは残して仕上げていきます。
最後に清掃をして、玄関階段のタイル貼り替えが完了


目地と側面の仕上げが終わったら、タイルや階段まわりを清掃していきます。
施工中についた汚れや細かな材料を落とし、タイル表面や目地、階段まわりを整えて工事完了です。


着工前には、タイルの剥がれや浮きが見られていた玄関階段。
既存のタイルを剥がし、初めて見えた下地の状態を確認するところからはじまり、
下地を整える
新しいタイルを貼る
目地を入れる
側面を仕上げ直す
そして、最後に清掃する
ここまで行って、今回の玄関階段の貼り替え工事が完了しました。
まとめ|見えるところだけではなく、その下まで見ながら直していく
今回の玄関階段は、タイルの浮きや剥がれが見られるところから工事がはじまりました。
既存のタイルを撤去してみると、下3段と上段では傷み方が異なり、下地となるコンクリートにも欠けや凹凸が見つかりました。
そこで、傷んだ部分を取り除いて下地を整え、北海道の屋外で使うことを考えたタイルを選び、そのタイルに合った方法で施工。
最後は目地を入れ、階段側面のモルタルも整え、今回の貼り替え工事が完了しました。
ひとつの玄関階段でも、傷み方やその下の状態は、場所によって異なります。
だからこそ、最初から「こう直す」と決めるのではなく、今ある状態を確認しながら、必要な工程をひとつずつ進めていく。
今回の工事も、そんな施工のひとつでした。
毎日のように行き来する玄関まわり。
「タイルが少し浮いている気がする」
「ひび割れや剥がれが気になってきた」
「冬を越すたびに傷みが増えているような気がする」
そんな小さな変化でも、気になったときが家の状態を見てみるきっかけになるかもしれません。
「これくらいで相談してもいいのかな?」と迷う段階でも大丈夫です。
タイルだけを直せば良いのか、その下まで確認したほうが良いのか。
まずは今の状態を見ながら、一緒に考えていきます。
毎日使う玄関だからこそ、これからも安心して使えるように。
気になることがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました♪